いつの時代も革靴好きたちに愛されてきた「Tricker’s(トリッカーズ)」。英国最古のブランドで最高なブランドなのは皆さんご存知の通り。
でも、一足目にそれを買えばいいのか誰も教えてくれない!
と、いうわけで今日はトリッカーズの革靴一足目におすすめな、
- STOW(ストウ) ※MALTON(モールトン)
- BOURTON(バートン)
についてお話ししていきます。
この2足のうちどちらかを買えばOK、間違いない。でも、どっちが好みかは人によるのでその辺りを詳しく話していくことにしましょう。
トリッカーズ最初の一足はSTOW?BOURTON?
トリッカーズ最初の一足としておすすめしたいのが「STOW(ストウ)」と「B0URTON(バートン)」です。
どちらもトリッカーズを代表するモデルなので、リッチなあなたには一気にどちらもかって欲しいんですが…。並行輸入でも4万5千円。公式HPで購入すればどちらも約10万円のお値段です。
なので、今回はなぜ最初のトリッカーズに「ストウ」と「バートン」がおすすめなのか説明をした上であなたに合うのはどちらのモデルなのかお話ししていきたいと思います。
「STOW」も「BOURTON」もトリッカーズの歴史に残る名作
トリッカーズは革靴の本場イギリスで最も古い革靴ブランドです。工場は高級革靴ブランドのファクトリーが集うノーザンプトンにあり、英国王室御用達の証でもあるロイヤルワラントも獲得しています。
そして「ストウ」と「バートン」はそんなトリッカーズの歴史の中でも最初の方に登場したモデルなのです。ブランドの冠モデルといっていいでしょう。
「ストウ」も「バートン」元々は紳士階級の人々が田舎へ狩りに出かける際に履く靴(=カントリーシューズ・カントリーブーツ)でした。このモデルに見られる特徴こそ、現代に生きる私たちが“トリッカーズの革靴”に持つイメージを形作っているのです。
トリッカーズの革靴にブローグやダブルソールが必要だったワケ
トリッカーズの革靴といたら私たちが頭に思い浮かべるのはアッパーに施された“ブローグ”や屈強なイメージの“ダブルソール”ではないでしょうか。これらの特徴は別にデザイン的に考案されたわけではなくて、きちんと理に適った装備だったのです。
まず“ブローグ”ですが、これはアッパーの水捌けをよくするためのものでした。そして“ダブルソール”はそのままタフなユースでも負けない頑丈なソールです。
そしてマニアックなポイントですが、“ストームウェルト”と呼ばれる革がアッパーとソールの間に噛ませてあります。このおかげでアッパーとソールの間に空いた隙間から水が染み込んでこないようになっているのです。
紹介したポイントはトリッカーズの革靴を狩りのシーンで履いていた時の名残です。そしておすすめする「ストウ」も「バートン」も、このトリッカーズらしいポイントがきちんとそのままの形で継承されているのです。
トリッカーズ STOW(ストウ)はこんなモデル
ここからは2つのモデルをそれぞれ別に紹介していきます。
まずはカントリーブーツモデルの「STOW(ストウ)」から。
トリッカーズを代表するカントリーブーツSTOW
私の場合、トリッカーズといって真っ先に思い浮かぶのがこのSTOW(ストウ)です。このエイコンアンティーク(写真のトリッカーズのカラーこと)のストウこそトリッカーズの王道だと思っていました。
今でもその認識に揺らぎはなくて、ブローグの美しい装飾もカントリー“ブーツ”なのでカントリー“シューズ”よりも多いです。それに足首まで革が覆うのでより広い範囲で経年変化が楽しめます。
履けば履くほど足に馴染んでいくトリッカーズらしい履き心地もこのストウの方が後に紹介するバートンよりも楽しめるでしょう。
甲は低め、幅も絞ったスタイリッシュな外観
ストウは実に英国靴らしいスタイリッシュな外観に仕上がっています。
使われているラスト(木型)は4497Sというモデルで甲の部分は低め、横幅も絞られていて実に無駄がありません。その分、ブーツということもあって脱ぎ履きは手こずることもありますがそれすらも愛おしく感じられるほどの出来栄えです。
ただし、夏の時期の着用はやめておいた方が無難です。例えばDannerのブーツのように防水透湿性素材が使われていればいいですが、トリッカーズは古き良きカントリーブーツのブランドなので湿気がそのままブーツ内に残ってしまいます。
ストウの出番は秋から春まで。通年通して履きたいというあなたは短靴のバートンをどうぞ。
“トリッカーズを履いている”という自信が持てるのがSTOW
何はともあれ、一番「私はトリッカーズを履いている!!」と思えるのはこのストウだと思います。
買ってしばらくしたら私でも、いまだにこのストウを履いている時間は至福の瞬間。これは履ける時期が決まっているというのも多かれ少なかれ影響しているのかも。
誰が見てもTHE Tricker’sな一足が欲しいならSTOW(ストウ)が間違いないでしょうね。
STOWとMALTONにはほぼ差はないらしい
ここでコラム的なお話を。トリッカーズのモデルには「STOW(ストウ)」と、これによく似た「MALTON(モールトン)」というモデルがあります。
私が履いているのは厳密にはモールトンの方。しかし、違いは(ほぼ)ありません。なんでもアッパーに使われている革質が若干違うらしいのですが、「ストウ」も「モールトン」も違いが正直わかりません。
なんでも、当初は異なるモデルだったそうですがトリッカーズの長い歴史の中でほぼ同じモデルになっていったのだとか。名前だけが残っている感じですね。
トリッカーズ BURTONはこんなモデル
次は短靴タイプのトリッカーズ、BOURTON(バートン)。
どんなモデルなのかお話していきましょう。
トリッカーズの定番BOURTON
このバートンもトリッカーズの超定番モデルです。私はたまたまストウの方がそれらしいイメージを持っていましたが、人によってはこのババートンの方がトリッカーズらしいと思えるかも。
なんといってもカントリーシューズなので履き口が大きく蒸れが少ない。おかげでカントリーブーツのストウよりオールラウンダーに楽しめます。
フレンドリーなのがこのバートンというモデルの真髄なのかも。
甲は高め、適度な幅感で履きやすい一足
ラストに目を向けてみてもこのバートンがいかにフレンドリーであるかがわかります。
使われているラストは「4444」モデル。トリッカーズ名作ラストで甲は高めで適度な横幅を持っているので非常に履きやすいモデルです。
履き口が広いので脱ぎ履きだって容易でしょう。
様々な面でバートンの方がストウよりもフレンドリー。少し悪くいえば楽なのです。メンテナンスも面積が少ない分簡単ですしね。
1年を通して履ける相棒をお探しならBOURTON
確かに“トリッカーズらしさ”でいえばストウには敵わないバートン。
でも日常での使いやすさで合うならこのバートンに軍配が上がりますね。こちらのバートンはどんな日でも履くことができるし、「脱ぐのが面倒だから履いていけない」なんて場面もない。等身大の付き合い方ができるまさに相棒のようなシューズなのです。
あなたはSTOWとBOURTONどちらのトリッカーズを選ぶ?
- 憧れのTricker’s、STOW
- 等身大のTricker’s、BOURTON
あなたが選ぶのはどちらでしょうか?
これは究極の選択です。じっくり悩むといいですし、その悩む時間もとても楽しい。
少し後押ししても良いのなら、「どちらを買っても後悔しないですよ」とだけいっておきましょうか。
それから、「いずれどちらも買うようになりますよ」とも。
さぁ、最初のトリッカーズ、あなたが選ぶのは「ストウ」?「バートン」?
STOWもBOURTONも並行輸入で手軽に購入できる
ここで私がトリッカーズの「STOW」と「BOURTON」を安く手に入れた方法をお話していきましょう。
その方法は並行輸入品を選ぶこと。楽天市場などで簡単に探すことができます。
並行輸入品なら公式HPで10万円超えのモデルが半額以下の5万円くらいで買えますが決して偽物ではありません。
イギリス本国など日本より安くトリッカーズが販売されている国から輸入したのが平行輸入品です。安いメリットがありますが、サイズの欠品が多いというデメリットも。
サイズが合ったらすぐに購入!並行輸入のトリッカーズは迷ったら2度と出会えないかも…!