革靴にはさまざまな種類のレザーが使われます。
アッパーには牛革や馬革、ライニングにはピックレザーなど本当に多種多様な種類の革が使われます。
今回は、革靴に使われるレザーの種類について深掘り。
それぞれの特徴や、使われ方について解説していきます。
革靴の印象を決めるレザーの話をしていこう
革靴には牛革を中心に、馬革や羊革・エキゾチックレザーなどさまざまなレザーが使われます。
革によって見た目が異なりますし、履き心地や使われ方、さらには磨き方まで異なることも。
今回は革靴のレザーの種類について深掘りしていきます。
革靴に使われる“革”の種類
- 牛革
- 馬革
- 豚皮
- 鹿革
- 羊革
主に革靴に使われているレザーをまとめてみました。
順番にそれぞれの革の特徴を見ていきましょう。
牛革(カウレザー)の特徴
- ポピュラーな革で流通量も多い
- 高い耐久性を持つ
- 加工がしやすい
- 細かく分類分けされている
銀面が整っており、丈夫なためさまざまな革製品に使用されています。
牛革はポピュラーなレザーなので、カウレザーの中でさらに細かく分類があるのも特徴。
仔牛の皮を総称して“スキン”。25ポンド以上ある厚く丈夫な皮をハイドといいます。
カウレザー:スキン(仔牛の革)
“ハイドレザー”はさらに「カーフスキン」「キップスキン」の2種類の革の種類から成り立っています。
カーフスキン | 生後6ヵ月までのオスの仔牛の革。薄くて軽く、手触りが良い。流通量が少ないため、使用される革靴は高級品である。 |
キップスキン | 生後6ヵ月から2年程度の牛の革。カーフスキンに比べると厚く丈夫であるが、きめ細やかである。こちらも高級品である。 |
カウレザー:ハイド(25ポンド以上の革)
成長した牛の革はハイドと呼ばれます。基準は25ポンド以上の厚さがあるかどうか。
ハイドの中でも3つの区分があり、それぞれこんな特徴があります。
ステアハイド | 生後3ヵ月から半年のうちに去勢され、生後2年以上のオスの革。厚みも強度もあり、勝手がいい。一般的に牛革として流通しているのがこのステアハイド。革靴としても最もポピュラー。 |
カウハイド | 出産を経験し、生後2年以上のメスの皮。ステアハイドに比べてきめ細やかで柔らかい。靴にはあまり使用されない革。 |
ブルハイド | 去勢されることなく2年以上成長したオスの革。傷が多いことが多く、ドレスシューズには向かない。しかし、丈夫であるためワークブーツやソールとして使用される。 |
そのほかの種類のカウレザー
ハラコ | 死産や流産した牛の胎児の皮。強度がないため、靴には向かない。非常に希少価値が高い。 |
ヘアカーフ | 牛の毛を付けたままの革。染色して使用されることが多い。 |
バッファロー | バッファローの革。非常に丈夫で独特なシボが特徴。 |
馬革(コードバン)の特徴
馬革、その中でも臀部の革はコードバンと呼ばれ高級な革靴に使われます。
独特な光沢があり、革靴や革小物などにも使用されます。
- 独特な光沢がある
- 表面の毛羽立ちなどケアが難しい
- 水染みがつきやすい
豚革(ピックスキン)の特徴
豚皮は繊維が細く密度も高いため、薄く摩耗にも強い革です。
肌触りの良さと薄さを活かして革靴のライニングに使われることが多いのも特徴。
革靴のアッパーとしてはあまり使用されることがありません。
- 薄くて丈夫である
- 繊維密度が高く、摩耗に強い
- 柔軟性はあまりない
鹿革(ディアスキン)の特徴
ディアスキンは独特なシボ感が特徴。
非常に繊維が細く、密度は低めです。
軽くてしなやかですが、耐久性が高くブーツなどに使用されることも。
- 独特なシボ感がある
- 肉厚で繊維が細くしなやか
- 密度は低いが丈夫
- 流通量が少なく高価である
羊革の特徴
- 摩耗性に優れた革
- きめ細やかな表情が特徴
- 毛穴が整っている
成羊革は“ゴートレザー”、子山羊の場合には“キッド”と呼ばれます。
摩擦に強く、きめ細やかな革です。
ゴートスキン | 成山羊革のこと。 |
シープスキン | 子山羊革のこと。ゴートスキンよりもよりきめ細やかな革である。 |