みなさんはガラスレザーの革靴について、どんなイメージをお持ちでしょうか?
私個人としては、初めての本格革靴がドクターマーチンだったのもあり全く悪いイメージはないです。しかし、その一方で、「経年変化がないから楽しめない」「見た目が安っぽい」などマイナスなイメージがあることも知っています。
今回はガラスレザーの革靴について、実は十分経年変化を楽しめる面白いアイテムなのだということ紹介していこうと思います。
こんな人におすすめ!
- ガラスレザーについて知りたい
- ガラスレザーの経年変化が見たい
- ガラスレザーの革靴を購入したい
ガラスレザーの革靴はエイジングが楽しめないと誰がいった?
そもそも、なぜガラスレザーにマイナスのイメージがあるかというと、本革の醍醐味である経年変化が少ないからです。また、ガラスレザーの革靴は経年変化するのではなく、時間の経過とともに劣化していくだけだと思われています。
しかし、ガラスレザーの革靴を複数履いてきた私から見るとガラスレザーの革靴も十分エイジングを楽しめます。また、メンテナンスによってガラスレザーの革靴の寿命も伸びているように感じるのです。
ガラスレザーのエイジング例を用意しました
百聞は一見にしかずといいますから、まずはエイジングの例を見ていただく方がいいでしょう。
私の所有している、ガラスレザーが使われている革靴を3足用意しました。
REGAL 2504NAの場合
REGALより
まず、一足目は日本が誇るレザーシューズブランド、REGALの2504NAです。リーガルが1962年に発売したリーガルを代表するといっても過言ではないモデル。
そんなモデルを履き込むとこうなります。
このヌタっとした自然な光沢感はサラピンのガラスレザーではみられないものです。購入したのは2021年のことなので3年近く履いている革靴ですが全く飽きません。
レザーが曇ってきたなと思ったら磨いて、するとこんな風に美しく復活します。ガラスレザーで起りがちなレザー表面のひび割れなども皆無です。きっと何もメンテナンスをしていなかったら寿命を迎えていたのではないかと思います。
G.H.BASS LOGANの場合
GMT.incより
コストパフォーマンスの鬼、G.H.BASSのLOGANです。低価格で気軽にレザーソールの歩き心地を楽しめるこのローファーですが、アッパーには美しいガラスレザーが使われています。
そんなローガンを履き込んだ結果がこちらです。ガラスレザーは新品の時よりも光沢感を増してまるで鏡のようになりました。
特にローファーとガラスレザーの相性は良いなと感じます。アッパー部分のシワがあまり目立たなくいつでも新品のように履くことができるからです。
かれこれ5年ほどは履いているはずですが、いつみても美しいです。一見すると新品のローファー、しかし購入時よりも輝きは増していて、自分だけがその変化を知っている。特別な気分になります。
ガラスレザーだからとメンテナンスをおろそかにして、経年劣化だけを受け入れる履き方ではこうはいきません。
Dr.Martens 1460 8holeの場合
Dr.Martensより
英国が誇る最強のワークブーツ、ドクターマーチンも多くのモデルでガラスレザーを採用しています。最も、ドクターマーチンの場合にはガラスレザーという言い方はしていなくて、“スムースレザー”という呼び方になっています。
ただ、レザーの表面を厚くコーティングしているという意味でガラスレザーの一種かと思います。
ドクターマーチンの最も古いモデルである1460 8holeもそんなスムースレザー製のアイテム。ドクターマーチンの場合にはワークブーツですからシワがよく似合います。少し履き込んだ状態のものですが、指の付け根のシワなどたまりません。
ドクターマーチンの場合には履きこむごとにシワが深くなっていきますが、しっかりメンテナンスをしていればひび割れることはありません。
一般にガラスレザーは栄養を吸収しないといわれますが、それでも若干は吸収するのだと思います。履き込んでシワになった部分は特にクリームなどが吸収されやすいのだと思います。ノーメンテではこうはいかないでしょう。
ガラスレザーの革靴とそのエイジングについて思うこと
ここまでエイジングの例を見ていただきました。ガラスレザーは光沢が失われることが少ないので経年変化を感じにくいのかもしれませんが、手入れをしている持ち主からすればしっかりと経年変化を感じることができるのです。
確かに、ガラスレザーの革靴はメンテナンスが楽である
確かに、ガラスレザーの革靴はメンテナンスが楽です。ブラッシングだけで光沢感が戻るのでクリームをそれほど塗らなくても美しさを保てます。しかし、ガラスレザーを楽しむような気持ちでメンテナンスをし続けてやると別な表情が見られるようになります。
別にガラスレザーも頻繁にメンテナンスをしなければならないといっているわけではありません。忙しいサラリーマンでもズボラに光沢を保てるガラスレザーは魅力です。これはリーガルの2504がロングセラーであることが証明しています。
ただ、たまにで構わないので手をかけてやることで経年変化も楽しむこともできるのです。それでも普通の革靴よりも随分手間はかからないと思います。
使い続けたガラスレザーには独特なエイジングが出る
ガラスレザーの面白いところが、ガラスレザーと一口に言っても様々なエイジングが起きることです。リーガルの場合にはぬらぬらとしたなんともいえない雰囲気になりますし、G.H.BASSの場合には鏡のようにツルツルになっていきます。ドクターマーチンの場合には鈍く奥から光り始めます。
おそらく革の厚みや使われているコーティング剤によるのでしょうがそれぞれ違ったエイジングが見られるので、革靴が好きな方ならガラスレザーも毛嫌いせずに育ててみて欲しいと思います。新しい発見があると思います。
ガラスレザーを履き潰すのか、エイジングを楽しむのか
ガラスレザーの革靴は手入れが楽なので、極限までズボラに履き潰すのも悪くはないと思います。実際そういう方が多いと思います。
しかし、革靴好きとしてはできるだけ長く履いてやって、それでもボロボロになったら捨てるというのが愛のこもった履き方だと思うのです。
ガラスレザーだからといって、特殊な靴磨きの方法は必要ありません。普通に磨けばOKです。どうせならエイジングも楽しんで、最後までガラスレザーを楽しんで捨ててやってはどうでしょうか。
おすすめのガラスレザーの革靴たちについて
最後に筆者おすすめのガラスレザーの革靴たちを紹介します。とはいっても紹介した革靴たちのブランドなのですが・・・。実際に履いていて良かったものなのできっと皆さんも気に入ってもらえると思うのです。
おすすめのガラスレザーの革靴①:REGAL(リーガル)
サラリーマンのオトモ!REGALの革靴にはガラスレザーのものが多くあります。作りが堅牢で、ソールの交換をして長く履き続けられるのでおすすめです。同じ革を使っている廉価版ブランドにKENFORDがありますが、こちらはオールソールをして履き続けるのが難しいのでREGALが筆者はおすすめです。
おすすめのガラスレザーの革靴②:G.H.BASS(ジーエイチバス)
今回はLOGAN(ローガン)というモデルを紹介しました。このモデルこそが現在のコインローファーの祖であり、原点にして頂点のモデル。これ以外にもビーフロールのモデルや、フリンジ付きのものなどローファーといったらこのブランド。値段も世界最高峰のローファーがこの値段なの!?という値段なので様々な面でおすすめです。
おすすめのガラスレザーの革靴③:Dr .Martens(ドクターマーチン)
ガラスレザーを使った革靴で最も頑丈なのは多分このドクターマーチンだと思います。1960年から続く歴史と様々なミュージシャンに愛されてきた実力は本物です。ぶっちゃけ筆者が好きすぎてゴリ押ししたいんですけどね。
色々なブランドの革靴を履いてもやっぱりいいなと戻ってきてしまいます。世界で愛されるだけあるブランドです。