革靴は構造を理解すればもっと面白い!【パーツ名や工程まで全部わかる】

こんにちは、革靴が大好きなブロガーのあかパンダ(@akapandablog)です。

あかパンダ
今回お話しするのは、革靴の構造についてです。

 

革靴の構造はとても面白くて、パーツの1つひとつに至るまで名前が付けられているんです。

構造について理解を深めておくと革靴を選ぶのはもちろん、手入れにも役立ちます。

今回が目に見える部分はもちろん、目に見えない部分に至るまで革靴の構造を徹底的に解説します。

【この記事を読むとわかること】
・革靴の構造について
・革靴のパーツと名前について
・革靴の製作価値について
・おまけ:革靴の製作過程がある公式サイトまとめ
ぴーちゃん
革靴の仕組みについてどこよりも詳しくお話ししていきます。

 

革靴は構造を理解すればもっともっと面白くなる

私が革靴にハマったきっかけは、その構造に魅了されたから。

人の体重を支え、地面の摩擦に耐え、冷静に考えると凄すぎる。人の手で生み出されるのが不思議で仕方なかったのです。

 

人が靴を履くようになったのは、一説によれば4万年前からだそう。昔の人が履いていた革靴はどんな構造だったのでしょう?どうやって作っていたのでしょう?革靴も工業化が進みましたが、製法の中で多かれ少なかれ手作業が必要になります。

あなたの革靴がどんな構造で出来上がっているのか気になりませんか?

革靴の構造を知ると、もっと革靴が好きになれますし手入れも面白くなります。

 

革靴の構造について内と外から理解しよう

あかパンダ
革靴の構造について、外側と内側から解説していきます。

外側について知っていると靴磨きや修理の時に重宝します。

名前がわからないとケアやリペアの方法も調べられませんからね。

 

逆に、内側について知っていると新しい革靴を選ぶ際に役立ちます。

革靴の構造が異なると、履き心地や耐久性が全く違うのです。

内部構造を知っていると自分に最適な一足を見つけることができるのです。

革靴の外側の構造を知ればケアやリペアの時、内側の構造を知っていると革靴を選ぶ際に役立つ。

 

革靴の構造を外側から解説【パーツ名もわかる】

  1. トゥ
  2. ヴァンプ
  3. 羽根(レースステイ)
  4. 靴紐(シューレース)
  5. アイレット
  6. タン(ベロ)
  7. トップライン
  8. ライニング
  9. アッパー
  10. アウトサイドカウンター
  11. クォーター
  12. コバ
  13. ウェルト
あかパンダ
今回は現代革靴の定番、「グッドイヤーウェルト製法」で作られた革靴の構造です。

他の製法で作られた革靴も、ソール部分以外はほぼ同じ作りになっています。

 

革靴の外側パーツ1:トゥ

革靴のつま先部分のこと。「靴先」という呼び方も。下には芯材が入っていることが多い。

革靴の外側パーツ2:ヴァンプ

足の甲よりも前にある部分の革。「つま先革」という呼び方も。

革靴の外側パーツ3:羽根(レースステイ)

靴紐を通す部分がある革。“外羽根式”や“内羽根式”という革靴の区分はこのパーツから。

革靴の外側パーツ4:靴紐(シューレース)

「シューレース」とも呼ばれる。靴を足に固定させるのに使う。靴によってはゴムやモンクがその役目をすることも。

革靴の外側パーツ5:アイレット

靴紐を通すための穴のこと。「鳩目」とも呼ばれる。

革靴の外側パーツ6:タン(ベロ)

羽根の下にある革。靴本来の色味を確認できるよう、靴磨きの際にはあまり色を入れないようにする。

革靴の外側パーツ7:トップライン

履き口のこと。

革靴の外側パーツ8:ライニング

アッパーの裏地部分。布や革で出来ているものも。

革靴の外側パーツ9:アッパー

革靴の底を除いた上面全体の総称。「甲革」とも呼ばれる。

革靴の外側パーツ10:アウトサイドカウンター

かかとの部分を覆う革。トゥ同様に下に芯材があることが多い。

革靴の外側パーツ11:クォーター

ヴァンプとアウトサイドカウンターの間にある革。「腰革」という呼び方も。

革靴の外側パーツ12:コバ

靴底のふち部分。アッパーかよりも外側にでている部分。

革靴の外側パーツ13:ウェルト

アッパーとソールを縫い合わせている部分。製法によってはウェルトが見られない革靴も存在する。

 

革靴の構造を内側から解説【パーツ名もわかる】

  1. 芯材
  2. 中敷
  3. インソール
  4. リブテープ
  5. シャンク
  6. 中物
  7. アウトソール
  8. ヒールリフト
  9. トップリフト

※12はウェルト。革靴の外側パーツで紹介したものと同様。

革靴の外側パーツ1:芯材

トゥ部分とアウトサイドカウンター部分の下にある硬い芯材。トゥ部分の芯材を「先芯」、アウトサイドカウンター部の下にある芯材を「月形芯」と区別することも。

革靴の外側パーツ2:中敷

直接足に触れる部分。インソール上に取り付けられる。

革靴の外側パーツ3:インソール

中敷の下にあるソール。革材が使われる。

革靴の外側パーツ4:リブテープ

グッドイヤーウェルト製法に見られ、アッパーとウェルト部分を縫い付ける際に取り付けられる。

革靴の外側パーツ5:シャンク

芯材の一種。「踏まず芯」とも呼ばれる。土踏まず部分に位置し、靴のアーチを支えるために入れられる。

革靴の外側パーツ6:中物

インソールとアウトソールの間に入れる。コルクなどが使用される。

革靴の外側パーツ7:アウトソール

ソールのうち、地面に触れる部分のこと。レザーソールの場合には革材が、ラバーソールはゴム材が使われる。

革靴の外側パーツ8:ヒールリフト

ヒール部分を形作るパーツ。牛革やゴムが使われる。

革靴の外側パーツ9:トップリフト

ヒールの一番下、地面に接する部分。牛革やゴム、ウレタンなどが使われる。すり減った場合にはこの部分だけを交換することも可能。

 

 

革靴の製作過程について

画像はSCOTCH GRAIN HPより

革靴の製作には非常に多くの工程があります。

細分化していくと、実に200以上の工程になるそうです。

全ての工程を職人1人が行う製法(ベンチメイド)で作る革靴もありますが、近代では機械の導入で簡略化された部分もあります。

あかパンダ
主に、革靴の製法は以下のような流れで作られます。
  1. 木型の製作
  2. 髪型の製作
  3. 革の裁断
  4. 縫製(製甲)
  5. 中底仮留め
  6. つりこみ(型に革を被せる)
  7. ウェルトの縫い付け
  8. 本底の縫い付け
  9. 仕上げ(コバのやすりがけやヒールの取り付け)

機械化されたとはいっても、革靴の製法は上記の流れから大きくは外れません。

全ての工程を人の手で行う(=ハンドソーンウェルト製法)場合や、機械主体で大量生産を行う(=セメント製法)場合、またはその中間(=グッドイヤーウェルト製法)であっても、基本的にはほぼ同じ工程を踏みます。

 

革靴の製作過程がわかる外部サイトを紹介

革靴の製法について興味を持っていただけたみなさんのために、Webサイトの中から革靴の製法について紹介しているページを抜粋して紹介します。

あかパンダ
革靴の知識を深めるために役立ちますし、読み物としても面白いものばかりです。

 

REGAL:靴の取説_靴の素材と構造がキメ手!

日本の紳士革靴大手、REGAL(リーガル)のWebサイト内にあるページ。

グッドイヤーウェルト製法での革靴の作り方が写真と共に紹介されています。

グッドイヤー以外の製法についての説明や、別ページには「靴紐の通し方」「リボンの結び方」などのコンテンツもあり。

あかパンダ
REGALは革靴好きなら誰しも通る道。ためになるコンテンツがたくさんです。

SCOTCH GRAIN:靴の製造工程

東京の墨田で一貫生産を行う革靴メーカー、SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)のWebサイトにも革靴の製作過程がわかるページがあります。

スコッチグレインが得意とするのはグッドイヤーウェルト製法。

「甲革の裁断」から完成までが写真付きで紹介されています。

あかパンダ
革靴を作る様子の動画も見ることができます。有名メーカーの製造風景を動画で見られるのは貴重ですね。

Tricker’s:OUR STORY

革靴の本番イギリスでも特に長い歴史を持つTricker’s(トリッカーズ)。
「ベンチメイド」という、一人の職人がひとつの革靴を0から作り上げる製法が特徴です。
あかパンダ
革靴好きなら誰しも「一足は買ってみたい」と思うベンチメイドの革靴。公式サイトではその製法の一部を見ることができます。