今回の記事ではロスコのMA-1フライトジャケットは“本物”といえるのかどうか、決着をつけたいと思います。
結論からいうと、“ロスコのMA-1は間違いなく本物だといえる”と思います。
この結論に至った理由を説明していきますが、きっとこの記事を読み終わったあなたも同じ感想を持ってくれるのではないかと思います。
「ロスコのMA-1フライトジャケットが本物なのか否か」決着をつけたい
ミリタリーアイテム界隈でよく繰り広げられるのが「このアイテムは本物だといえるのか」問題。
「何を持って本物だといえるのか」その基準は曖昧ですが、スペックや仕様にこだわりたいのは一人のミリタリーファッション好きとしてとてもわかります。
とはいえ、今ではもう目にかかれない「当時もの(MA-1の場合1950年台に実際に使われていたもの)しか本物でない」という考え方はあり得ないでしょう。
それでは今回のテーマであるロスコのMA-1含めほとんどのミリタリーアイテムは「復刻版」や「修正版」なのですから。
ロスコのMA-1は本物なのか?
FRESHBOXより
まずは全段として、ロスコのMA-1について、どんなものなのか軽く触れていきたいと思います。
ロスコとMA-1
FRESHBOXより
まず、ロスコという会社について説明が必要でしょう。
ロスコはアメリカを代表するミリタリーブランドの1つ。
1953年にマンハッタンでミルトン・ソンバーグによって設立されました。
ミルスペックのアイテムを展開し、実際にアメリカ軍にアパレルを納入していた実績もある本物のミリタリーブランドです。
FRESHBOXより
特徴としては、シンプルで無骨でスペックが高いこと。
そしてALPHA INDUSTRIESやAVIREXなどよく耳にする他のミリタリーブランドに比べるとリーズナブルである点です。
ロスコの展開するMA-1も、もちろんシンプルで使いやすいデザインかつハイスペック。
値段も安価なのです。
ロスコのMA-1はどう考えてもバーゲンプライスである
FRESHBOXより
ALPHA INDUSTRIESやAVIREXの展開するMA-1は約20,000円からのプライスです。
一方、ロスコのMA-1の値段は楽天市場で6,000円〜8,000くらいの価格で販売されています。
安いショップで購入すれば、価格の差はなんと3倍以上。
しかし、仕様には妥協もなく、どう考えてもバーゲンプライスなのです。
今回私が購入したのは、ROTHCO(ロスコ)のMA-1フライトジャケットです。 MA-1といえばAVIREXやAlphaが有名です。 しかし、本物志向のあなたにはロスコのMA-1ジャケットもおすすめ。[…]
MA-1の歴史から本物を紐解いてみる
ロスコのMA-1の詳しい仕様については後ほど触れるとして、ここではMA-1フライトジャケットの歴史から当時の仕様について見ていきたいと思います。
MA-1フライトジャケットの歴史
Wikipediaより
MA-1フライトジャケットが初めて登場したのは1950年台初頭のこと。
“フライトジャケット”の名前の通り、空軍の飛行機乗り用のジャケットとして開発されました。
この当時、戦闘機がプロペラ機からジェット機へと移るタイミングで、スリムな機体に合わせて「コックピットは狭く」なっていきました。
また、機体性能の向上でそれまでの「レザージャケットでは耐えられない(ジャケットに付着した水分が氷結し、パイロット動きを妨げる)高高度&低温の環境へ」パイロットは身を置くようになったのです。
レザージャケットに変わるMA-1の採用
B-15ジャケット(左)(Wikipediaより)
それまでのレザージャケットでは耐えられない環境に身を置くパイロットに支給されたのが、MA-1の前身となる「B-15」でした。
しかし、B-15には“襟がパイロットの装備の邪魔になる”などの問題点があったため、これを改良する形で誕生したのが「MA-1フライトジャケット」なのです。
狭いコックピットでは計器類のスイッチに装飾が当たるため、余分なポケットなどは取り払われました。
襟もなくなり、パイロットの装備に緩衝することも無くなりました。
さらには座った時に巻き込むことがないよう着丈なども調整されました。
素材についても、それまでパラシュートなどに使われていたナイロンが採用され、低温でも暖かくさらには軽量化にも一役買いました。
一番最初のMA-1を作ったのは
元々、MA-1を作ったのは「アメリカ国防総省」です。
そしてその元ネタを元に軍からの見直しを依頼されたのが「ドブス・インダストリーズ」という会社でした。
この「ドブス・インダストリーズ」ですが、なんだか聞いたことがあるような名前ではないでしょうか。
そう、この「ドブス・インダストリーズ」はミリタリーアイテムで有名な「ALPHA INDUSTRIES(アルファ・インダストリーズ)」の前身となる会社なのです。
見直しを行う中で、「リバーシブルで内側がオレンジ色になっている(遭難時、ひっくり返して着ることで発見されやすくなるように)」など、今日のMA-1をイメージする際の特徴的なディティールが追加されていきました。
現在のMA-1に見られる特徴の中にはドブス・インダストリーズの“後付け”のディティールもあるのです。
MA-1のディティール
Wikipediaより
それでは、MA-1に見られる特徴的なディティールを挙げていきたいと思います。
- 襟はなく、首元はリブのみのデザイン
- 袖口・腰回りのリブ
- ナイロン素材に中綿入り
- 左腕のポケット
- 両腹部分にあるフラップ付きのポケット
- ウエストラインに合わせた腰丈
これらは初期のMA-1に見られた特徴です。
また、「ドブス・インダストリー」が改修を行なったMA-1に見られた特徴で今も一般化しているのは以下の特徴です。
- くすんだ緑(セージ・グリーン)である
- リバーシブル仕様
- 内側は発色の良いオレンジ(インディアンオレンジ)である
これらは現代のMA-1のイメージということができるでしょう。
ロスコのMA-1のディティールについて
それでは、ここでロスコのMA-1のディティールを見ていきたいと思います。
デザインを見ていくと、襟がなく首元はリブになっています。
そして、袖口と腰回りもリブ仕様となっています。
素材はナイロンで中綿入りです。
ちなみにウインドフラップがついていて風をシャットアウトする構造になっています。
左腕にはポケットが。
初期のMA-1に見られたようにシガーポケットとペンホルダーという構成です。
両腹部分にはフラップ付きのポケットも。
丈についてもウエストに合わせた作りになっています。
ちなみに、ドブス・インダストリーズのMA-1に見られた、今のMA-1に見られる定番の特徴も満たしています。
外側のカラーはくすんだ緑(ロスコのMA-1にはセージグリーンというカラーあり)、内側がオレンジ色です。
さらに、リバーシブルで着ることができるようになっています。
この状態で着る機会があるかは不明ですが、本当に手の込んだ作りになっています。
MA-1の歴史に触れ、その特徴も見てきましたが、ロスコのMA-1はその特徴を満たしたMA-1なのです。
結論:ロスコのMA-1は本物といって差し支えない
ロスコのMA-1が本物といえるかどうか、それでは結論です。
ロスコのMA-1は初期のMA-1に見られる以下の特徴を満たしています。
- 襟はなく、首元はリブのみのデザイン
- 袖口・腰回りのリブ
- ナイロン素材に中綿入り
- 左腕のポケット
- 両腹部分にあるフラップ付きのポケット
- ウエストラインに合わせた腰丈
さらに、ドブス・インダストリーが改修したMA-1に見られる以下の特徴も満たしています。
- くすんだ緑(セージ・グリーン)である
- リバーシブル仕様
- 内側は発色の良いオレンジ(インディアンオレンジ)である
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