今回解説していくのはFXの”レバレッジ”という仕組みを中心とした内容です。
実はFXの戦場である外国為替市場は株式市場に比べると穏やかなのです。
なのに株式と比べてFXって危ないイメージがありませんか?
きっとそれは“レバレッジ”のせい。
でもレバレッジが必ずしも悪いわけではなくて、その意味と適切な取引の設定が分かっていればそれほど恐れることはありません。
もちろん、お金を使った取引ですからリスクがあるのはもちろんです。
その部分は恐れていいんだと思います。
レバレッジは小さな資金で大きなリターンをもたらしてくれます。
その一方で怖い面もある。
だからこの記事でレバレッジについて学びましょう。
そして適切な設定でFXの取引を行いましょう。
外国為替市場の方が株価よりも変化が少ない!でも危ないイメージがありませんか?
外国為替市場と株式市場の話を少しさせてください。
FXで大切なレバレッジを学ぶ上で大切なことなんです。
まずは株式市場から。
デイトレーダーが好んで売り買いするような株は1日に10%以上値動きがあることもあります。
つまり、1,000円で購入した株式が900円になったり、1,100円になったりします。
たったの1日で。
一方のFXですが、株式市場よりも変化が少ないのです。
外国為替市場の場合には1日に1%も値動きがない場合がほとんどです。
現在は新型感染症などで市場が激しく動いていますが、本来であればそれほど値動きが少ないのです。
もしも1ドルが100円から110円(10%の値動き)になったら、それこそ大ニュースです。
ではなぜFXはハイリスクハイリターンだと思われているのでしょうか。
値動きだけでみるのであれば、株価よりもずっとFXの方がリスクが低いはずです。
それは、FXには”レバレッジ”というシステムがあるから。
FXの醍醐味レバレッジ(=テコの原理)とは?
レバレッジ( leverage)とは、英語でテコの原理のこと。
テコの原理を使うことで、重いものを小さな力で動かすことができますよね。
FXでも同じように、レバレッジを使うことで小さな自己資金で大きな金額の取引ができるのです。
このレバレッジですが、大きさがあります。
そして大きさについてはFX会社によって様々です。
最大の大きさは決まっているんですがね。
個人投資家の場合、FXでレバレッジは最大で25倍まで
レバレッジの大きさは1倍(外貨預金とほぼ同じ)や10倍、25倍など様々です。
個人投資家の場合には最大で25倍までのレバレッジを使うことができます。
このレバレッジの意味ですが、例えば自己資金として10万円持っていたとします。
レバレッジ1倍の場合には10万円分の取引しかできません。
それがレバレッジ10倍の場合には10(万円)×10(倍)=100万円分の取引が可能です。
さらに、最大倍率の25倍の場合には10(万円)×25(倍)=250万円分の取引が可能です。
実際に自分で所有している資金を超えて取引ができるとはいわれてもなかなか実感が湧かないと思います。
レバレッジを使った取引と使わない取引を例にして、どれくらい違いがあるのか計算(シミュレーション)をしてみたい思います。
レバレッジを使うとこれくらい報酬に違いがある
レバレッジなしとレバレッジあり(25倍)でどれくらい報酬に差があるのか検証していきます。
どちらも1ドル=100円が1ドル=110円になったと仮定します。
ドルの10%の上昇です。
この条件でシミュレーションを行います。
ただ、ここで少し知っておいて欲しいことがあります。
FXでは1ドルごとの取引は基本的にありません。
1000ドルや一万ドル単位での取引になります。
FXでメジャーなのは1万通貨単位
FXでメジャーとなっているのは1万通貨での取引のようです。
しかし、最近ではそれよりも少ない1000通貨単位での取引ができるFX会社が多いです。
ちなみに、通貨単位というのは通貨によって決まっています。
ドルの場合には1通貨単位=1ドルです。
この件についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
通貨単位が少ない方がリスクが少ないですから、今回は現実的に1000単位でシミュレーションを行います。
レバレッジなしの場合の報酬シミュレーション
それではレバレッジなし(=1倍)の場合で考えます。
1ドル=100円が1ドル=110円になったと仮定。
1000通貨単位で考えます。
1000通貨単位ということは、1ドル=100円ですから100(円)×1000(通貨単位)=100,000ドル(10万円)を購入するようになります。
これが1ドル=110円になるということですから、1ドルあたり10円の利益です。
つまり、10(円)×1000(通貨単位)=110,000(11万円)となります。
10万円が11万円になったわけですから、1万円の利益となりますね。
これが最大の25倍のレバレッジをかけるとどうなるでしょうか。
レバレッジ25倍時の報酬シミュレーション
それではレバレッジ25倍の場合で考えます。
1ドル=100円が1ドル=110円になったと仮定。
1000通貨単位で考えます。
1000通貨単位ということは、1ドル=100円ですから100(円)×1000(通貨単位)=100,000ドル(10万円)を購入することになります。
しかし、レバレッジをかけるため、10万円の25倍である250万円分のドルを使って取引が可能です。
これが1ドル=110円になるということですから、1ドルあたり10円の利益です。
つまり、10(円)×1000(通貨単位)×25(レバレッジ)=250,000(25万円)となります。
10万円が25万円になったわけですから、14万円の利益となりますね。
この場合、レバレッジ25倍の際にはレバレッジなしの場合に比べて13万円も多く利益を得られることになります。
レバレッジってすごい!
でも、レバレッジにはリスクもあります。
リスクについて解説する前に、まずは知っておかなければならない保証金について。
レバレッジによって必要資金(=保証金)が変化する
こちらの記事で詳しく解説していますが、レバレッジによって必要となる資金(=保証金)が異なります。
かけるレバレッジの大きさと、運用する通貨単位によって必要な資金は変わってきます。
こちらの記事で詳しくは解説していますので、ご覧になってみてください。
あまりにレバレッジが大きい場合には、保証金を超えて損失が出る可能性もあるのです。
レバレッジは利益も大きいが損失も大きい
注意してください。
レバレッジを大きくすれば利益も大きくなりますが、損失も大きくなります。
レバレッジが大きければ、元手がなくなるのだってあっという間なのです。
「レバレッジを大きくかければ、利益は大きく損も大きくなる」
必ず覚えておいてください。
また、レバレッジを高く設定した取引はあまり長期間保有することなく、出来るだけ早く決済を行うように心がけるのが良いようです。
FXはレバレッジを大きくすればハイリスク・ハイリターン。
レバレッジを低くすればローリスク・ローリターン。
通貨単位の調整でさらに運用する資金を調整することもできます。
何も考えないでFXを行うのは絶対にダメ!
しっかりとリスクを抑えて運用しましょう。
ここで「ロスカット」という言葉についても触れていきます。
損失が含まないようにするために大切な仕組みです。
レバレッジと合わせて覚えておきたいロスカットについて

FXではレバレッジの設定・通貨単位の設定はよく考えて行おう
なんどもいいます。
FXではレバレッジの設定や通貨単位の設定はしっかりと考えて行いましょう。
大きな損失を被ってからでは遅いです。
それから、運用する資金についても失っても生活に支障が出ない範囲でやりくりしましょう。
もし1000通貨単位(1000ドル)での取引であれば、10万円あれば十分というのがよくある意見です。
私も計算してみましたが、この意見は正しいのだと思います。
FXを行う際にはあなたに合った取引内容になっているかしっかりと設定を確認しましょう。
このブログに書いてある記事の内容でもそれは可能なはずです。