世界的に有名なワークブーツブランド「Dr.Martens(ドクターマーチン)」。
今回は「どんな歴史を持っているのか」、「Dr.martens(ドクターマーチン)がどんなブランドなのか」についてお話ししていきます。
ドクターマーチンに興味があるあなた、そのユニークな歴史を知ることでもっともっとドクターマーチンが好きになれるはずです。
- 1 世界から愛されるブランド「ドクターマーチン」はどんなブランドか
- 2 「ドクターマーチン」の歴史についてわかりやすく解説
- 2.1 1901年:グリッグス社(AIRWAIR社)が誕生
- 2.2 1945年:クラウス・マーチンがアルプス山脈でスキー中に足首に怪我
- 2.3 1959年:グリッグス社がクラウス・マルテンスへブーツを発注
- 2.4 1960年4月1日:Dr.Martens 1460 8holeが誕生
- 2.5 1960年代:英国の労働者に広くドクターマーチンが履かれる
- 2.6 1970年代:グリッグズ社がビジネス拡大、ドクターマーチンがアーティストに履かれ始める
- 2.7 1980年代:ミュージシャンの支持得る、ドクターマーチンは反抗のシンボルに
- 2.8 1990年代:アパレルラインを発足、ヨーロッパでの地盤を拡大
- 2.9 2000年代:ドクターマーチンが英国では1つの工場を残して全て閉鎖
- 2.10 2010年代〜:ドクターマーチンブランド設立60周年、コラボアイテムなど様々なアイテムをラインアップ
- 3 ドクターマーチンにはAirWair社製とWhite社製がある
- 4 日本でのドクターマーチンの立ち位置
- 5 ドクターマーチン2つのアイコン
- 6 まとめ:ドクターマーチンってなに?ブランドの歴史や特徴をわかりやすく解説
世界から愛されるブランド「ドクターマーチン」はどんなブランドか
「Dr.Martens(ドクターマーチン)」は、今では全世界でその名前が知られるブーツブランドになっています。
しかし、その誕生のきっかけは偶然に偶然が重なってのものでした。
もしもDr.Martens博士が怪我をしなかったら。もしも第二次世界大戦がなかったら。もしもドクターマーチンが反抗のシンボルになっていなかったら。
「ドクターマーチン」の歴史についてわかりやすく解説
まずはドクターマーチンの歴史について。1901年のブランド発足のきっかけとなる出来事から現代までを時系列順に追いかけていきましょう。
1901年:グリッグス社(AIRWAIR社)が誕生
ベンジャミン・グリッグスは英国ノーザンプトン州で息子レジナルドと「クリッグス」社を設立。
1945年:クラウス・マーチンがアルプス山脈でスキー中に足首に怪我
1945年、クラウス・マーチンが休暇中アルプス山脈でのスキー中に足首に怪我を負ってしまいます。このクラウス・マーチンこそが「ドクターマーチン」の生みの親。
当時のブーツが全く怪我を負った足に全く合わなかったことで、クラウス・マーチンは“もっと歩きやすい靴を作ろう”とソールに空気を閉じ込めたエアクッションソールの開発に成功。
エアクッションソールの材料は第二次世界大戦後にドイツ軍が破棄したラバー。エアクッションソールを開発したクラウスマーチンは友人のヘルベルト・フンクと製靴ビジネスを始めます。
1959年:グリッグス社がクラウス・マルテンスへブーツを発注
1959年、グリッグス社はドイツのクラウス・マルテンスとヘルベルト・フンクに“エアクッションソール”を採用したブーツの製造を依頼します。
そして誕生したのが8つのアイレットに黄色いステッチ、そしてエアクッションソールを搭載した今までにない革靴でした。
ブランドはクラウス・マルテンスの名前からとった「Dr.Martens」に。
1960年4月1日:Dr.Martens 1460 8holeが誕生
翌年、ドクターマーチン初の量産モデルである8ホールブーツ(Dr.Martens 1460 8hole)がグリッグス社で生産されます。
ドクターマーチンの定番、「1460 8hole」はこの時からほとんど姿を変えずに生産されています。
1960年代:英国の労働者に広くドクターマーチンが履かれる
1960年代に入ると、ドクターマーチンは英国のノーザンプトン工場でも生産を開始。肉体労働者から警察官、郵便配達人など多くの労働者がドクターマーチンを愛用するようになります。
また、この頃から英国のスキンヘッズ(スキンズ)たちのシンボルになり、徐々に反体制や反抗のシンボリックアイテムに変化していきます。
1970年代:グリッグズ社がビジネス拡大、ドクターマーチンがアーティストに履かれ始める
ドクターマーチンの順調な販売に合わせて、グリッグス社は地方へ工場を開設。英国を代表するバンドである「The Who」や「Sex Pistols」といったミュージシャン・アーティストたちからも愛用され、その人気を確固たるものにしていきます。
1980年代:ミュージシャンの支持得る、ドクターマーチンは反抗のシンボルに
1960年代より、ドクターマーチンは「スキンヘッズ」などに愛用され、この頃には社会に対する反抗のシンボルとなっていました。
その一方で学校の制服にも採用されるなど、ドクターマーチンは英国の国民的な革靴ブランドになっていきます。
1990年代:アパレルラインを発足、ヨーロッパでの地盤を拡大
1980年代にドクターマーチンは米国での販売を開始。1990年に入るとヨーロッパへの販路も拡大していきます。
また、この頃のドクターマーチンはデザイナーとのコラボレーションでアパレルラインを発足したり、GlastonburyとReading(ロックフェスティバル)のスポンサーになったりと様々なコラボレーションや事業を行うようになります。
2000年代:ドクターマーチンが英国では1つの工場を残して全て閉鎖
2000年に入るとドクターマーチンの販売に影が見え始めます。2002年には売上が30%ほど落ち込み、2003年には英国での生産を辞めて、ドクターマーチンの生産は中国とタイで行われるようになりました。
2010年代〜:ドクターマーチンブランド設立60周年、コラボアイテムなど様々なアイテムをラインアップ
一時期は不況に陥ったAirWair社(グリッグス社)。ですが、生産の見直しやヴィンテージラインの再構築などを得て着実に立て直しを計ります。
2010年の4月1日にはブランド設立50周年。そして2020年にはブランド設立から60周年を迎えました。
MARC JACOBSコラボのドクターマーチン(Dr.Martensより)
1960 8holeや1961 3holeなどドクターマーチンのブランド創設時から愛されるアイテムをはじめ、「Supreme」や「メトロポリタン美術館」とのコラボなど、古くからドクターマーチンを知る人にはもちろん、様々な人々から愛されるブランドに成長しました。
ドクターマーチンにはAirWair社製とWhite社製がある
実は、ドクターマーチンを製造していたのはAirWair社(グリッグス社)だけではありません。実は、1990年代の後半まではWhite社でもドクターマーチンが製造されていました。
AirWair社とWhite社のドクターマーチンは少し形が異なっており、White社のものはトゥが少し丸みを帯びていることから今でも中古市場では高い人気があります。
トゥの見た目以外にも、8holeの場合プルタブ部分が“Dr.martens”になっていたり(AirWair社のものは“AirWair”と書いてある)、靴紐が平紐だったりと細かな違いがたくさんあります。
残念ながらデッドストックを見つけるのはほぼ不可能ですが、状態の良い中古品に出会った際には購入を検討してみてはいかがでしょうか。
日本でのドクターマーチンの立ち位置
イギリス本国では老若男女問わず愛されているドクターマーチン。日本でも多くの人々に履かれています。
元々ワークブーツがスタートであったため、歩きやすさや堅牢性は折り紙付き。しかし、日本では主にファッション目的で購入するユーザーが多いように見られます。
ソールに空気が入っているので歩き心地も良く、革も革靴の中では柔らかいため長時間履いていても足が痛くなることは少ないはずです。
ファッション性に優れながらタウンユースにも最適な点が日本のユーザーに受け入れられているのでしょう。
ドクターマーチン2つのアイコン
ドクターマーチンが創業当初から大切にしているシンボリックアイコンが2つあります。ここまでの文中でも何度か登場している特徴ですが、ここで再度確認しておきましょう。
空気の入ったエアクッションソール
まずは空気の入ったエアクッションソール(別名バウンシングソール)。ドクターマーチンのソールは一目で分かる厚いソールが特徴です。
ソールを裏から見てみると格子状の空間が内部に確認できます。ここに空気を閉じ込めておくことで地面を蹴った際の弾むような歩き心地を実現しています。
革に映えるイエローステッチ
ドクターマーチンのブーツをぐるっと一周する黄色いステッチ。通称“イエローステッチ”もドクターマーチンのアイコンです。
まとめ:ドクターマーチンってなに?ブランドの歴史や特徴をわかりやすく解説
今回はドクターマーチンについて、どんなブランドなのかとその特徴についてお話ししてきました。
この記事を通してドクターマーチンがもっと愛されるブランドになったらいいなと思っています。
ドクターマーチは素晴らしいヒストリーのあるブランドです。ぜひ、まだドクターマーチンを持っていないというあなたにも興味を持っていただけたら幸いです。
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