福沢諭吉の「学問のすすめ」を読んでみた。感想:今も昔も日本人は日本人だ

この本はどんな本?
→一万円札と慶應義塾大学で有名な福沢諭吉の本。日本人なら一度は読んでおきたい名著…のはず。購入したのは現代語訳版。そのおかげもあってすんなりと読むことができた。

 

なんでこの本を購入したの?
→イギリス人が”シャーロックホームズ”を読むように、アメリカ人が”白鯨”を読むように、日本人に生まれたなら一生に一度は読まなければならないと思ったから。それに副業の勉強に明け暮れる自分の”学問のすすめ”というタイトルも刺さったので。

 

”学問のすすめ”ってどんな本?

”学問のすすめ”の初版が出版されたのは1872年のこと。もっとも、それは第1編の話で、そこから4年9ヶ月に渡って第17編まで刊行された。

1872年がどんな年だったか調べてみた。

・仙台県が宮城県になる
・初の全国戸籍調査実施(総人口3311万825人)
・横浜で日本初のガス灯が点灯
とまぁ、もう想像もできないくらい昔である。
しかし、買いてある内容については今読んでも全く古さを感じさせない。もちろん現代語訳されているからというのもあるだろうが、しかしそれにしても今も昔も生きているのは同じ人間なのだと痛感させられる。

多くを占めている内容は日本のあり方について

内容として多くを占めているのは日本のこれからのあり方である。西洋の列強に立ち向かうにはどうするべきなのか。福沢諭吉の考えが書いてある。太いテーマとしてはこの「日本のあり方について」。そしてそれに肉付けされて「個人のあり方」や道徳、考え方など多岐に渡って福沢の考えがまとめてある。また、昔の日本人の考え方に触れることもできて現代人と比較するのも楽しい。

裏のテーマは「個人の独立」である

現代語訳版の副題にも「独立すること」とあるように、本書を通して福沢は独立を進める。このテーマは私に刺さった。中でも刺さったのが蟻を使った例えである。

一生懸命に仕事をして金を稼いで、家を買い家族を養い余った金は貯金する。これが”独立”だと思っている者がいるがこれは真の独立ではないと福沢はいう。これは蟻と同じだと。

蟻でも餌を運び家族を支えるし、時には餌を保存するようなこともある。これではただ生まれて死ぬだけである。自分自身の活動を広げてより大きな目的を達成しようとしないのならば、虫けら同然の愚か者だという。

学問のすすめで見える日本人像はどこまでも日本人

時代が変わると、まるで同じ国の人間でも遠い世界の人のように感じる。私の曽祖父まではイメージできても、それより前の先祖を考えると同じ世界に存在していた人とは到底想像できない。同じ日本人であるはずなのに、現代人とは全てが異なっているように思ってしまう。
しかし、学問のすすめに登場する日本人は今の日本人と何も変わらない。服を着て食事をして余った金は貯金する。そして今の日本人が税金に苦しむように、当時の日本人も政府の法に苦しめられていた。日本その他国々の関係、特に大国との関係も今のままであるといって良い。
今も昔も日本人は日本人のままで何も変わらないのだと思わされた。きっと昔の日本人を現代に呼び出せるなら、1年もすればスマホで調べ物をして電車で移動して、クレジットカードで買い物ができると思う。

福沢諭吉は預言者かもしれない

福沢諭吉には間違いなく先見の明があった。学問のすすめの中ではいくつもこれからの”日本像”のようなものが登場する。例えば、「身分によらない自由な時代の到来」や、「男女の隔たりはなくなり、差別が無くなる」などだ。平民が苗字を名乗るようになり、士農工商の身分も薄れてきたとはいえ、福沢の生きた時代はまだ身分の壁があった。男女の差も今とは比べものにならなかった。しかし、福沢は身分や性別といった差がなくなるといった。
現在では身分の差は少なくなっているし、男女も差も同様だ。最近では男女の差を超えたLGBTQなど、問題をさらに深く掘り下げ差をなくしていこうという動きもある。福沢の生きた時代から長い年月が立ってはいるが、福沢の思い描いた世界に向かってレールの上を少しずつ進んでいると考えて間違いないだろう。

福沢諭吉から学ぶ事業を成功させる秘訣について

夢や目標を立てる時に、「10年以内にこうなる!」だとか、「3年以内にこういうことを成し遂げる!」と決める者がいる。そしてそういったものは福沢諭吉曰く、ほとんどその夢や目標に向かって行動をしない。本当に夢や目標に向かって何かを成し遂げる者は決めた瞬間、今日行動に移すのだ。

事業も同じで長いスパンで事業を行うと、気づかぬうちに思わぬ厄介ごとにぶつかることもある。そういったことの原因のほとんどは日々の帳簿付けをしっかりと行っていないからである。こまめに情報を整理した上で日々、夢や目標の達成に向けた方向修正を行うべきだと福沢はいう。

 

福沢諭吉の「学問のすすめ」はどんな人にオススメか

逆にオススメできない人はいないと思う。ビスマルクの言葉に、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がある。何か判断に困った時に、自らの経験に頼るだけではなく歴史を学ぶことでよりよい判断ができるという意味の言葉だ。私たちは未来を見通すことはできないが、過去に学ぶことはできる。そして、福沢が生きた過去は私たちが生きる今にとても近いと感じる。

欧米の列強に怯え、政治に喘ぐ。今の日本人と変わらない福沢の時代の日本人の姿がこの本には描かれている。だからこそ本書から学ぶことは多い。

先人の感じたことを学び、活かすことで歩んだ道のりを引き継いで人は先に歩いてゆくことができる。この本を読んでいる時間は日本の未来や、我々一人ひとりの未来を考えることができる有意義な時間だった。

現代語訳版の学問のすすめは現代に生きる我々でも本当にすんなりと受け入れられる内容になっている。

ぜひ、どんな方にも読んでもらいたい一冊だ。

 

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